作品紹介

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山手小径(ブルーとグレイのへい)

山手小径(ブルーとグレイのへい)
油絵・S30号/ 制作=1952年

油彩2
北野町より ホテルのある山本通り風景
オランダ領事館 柳のある山本通り風景
山本通り風景(黄土色の壁の家) 北野町風景(夾竹桃の咲く)
山手小径(ブルーとグレイのへい) 黄緑のへいの北野町風景
北野小径(ランデヴー小径) 北野町・オーバーライン氏邸
<<解説>>

夏であった。

左手の、香港上海銀行の支店長の家の構成が三段になっていて、興をそそられた。(現在はヒルトンホテルに改築されている)少々変わった建物で、これは北側だが、庭に面した南側は特長のある外観をもっていた。正面はこの絵のもう少し手前にある。

庭には石の鳥居がつくられていたが、マダムが日本びいきだったのだろうか。

ここでもマダムが絵を所望し、断ると女中をつかわし、ボーイをつかわし、遂には自家用車の運転手まで使いに来させてたのむ。断わり切れずかき始めると、主人が出張から帰って「いらぬ」と断わり、マダムがわびに来た、というにぎやかな一幕もあった。

ヘイの青さ、赤い門扉、レンガの台石、灰色のカーブした塀と、地味な色の組み合わせが気に入っていたこのあたりも、今は車の道となり、ヘイもくちてしまった。