作品紹介

素描 油彩1 油彩2 油彩3 油彩4

北野町より

北野町より
油絵・F30号(72×91・)/制作=1946年

油彩2
北野町より ホテルのある山本通り風景
オランダ領事館 柳のある山本通り風景
山本通り風景(黄土色の壁の家) 北野町風景(夾竹桃の咲く)
山手小径(ブルーとグレイのへい) 黄緑のへいの北野町風景
北野小径(ランデヴー小径) 北野町・オーバーライン氏邸
<<解説>>

終戦直後、神戸にもどってぼう然とした頃の絵だ。山の手の、ロシア領事館の焼け跡から神戸一帯を港まで、見わたす気持ちで描いた風景である。

(港を見渡した絵は、僕の多くの作品の中でも3枚だけか、と覚えている)

家としては、舶来レンガの赤いエントツの残っているのがうれしく、焼け跡の多い中で特に色よく感じたものだ。

しかし絵の具は戦争中の配給のものだし、つやニスもひどいもので、すっかり油ヤケをおこし変色してしまっている。

すさんだ時代だったが、(画面中央の左手に)フランス国旗が昔ながらに健在だったのに、心がはずんだものであった。

(余談だが、港の船も今のタンカー船とは全く違い、高い煙突から黒い煙をなびかせているのに注目されたい。)