小松益喜を語る

伊藤誠 南風対談 わが青春の日々 森田修一
廣田生馬 和田青篁 父を想う

「画家は作品を残す。アトリエは…。」

住吉のアトリエは、小磯さんの死の翌年夏ご遺族の方からの正式お申し出でがあって、彼の人の遺志とは無関係の立場にあった時の神戸市長=宮崎辰雄さんが引き取ってくださることに決まり、平成4(1992)年11月3日のオープン以来、前記のように小磯記念美術館の内庭を飾っている。

このアトリエの引き取りが決定して後に、記念美術館にふさわしい所蔵品をということで、神戸市が大量の小磯絵画を受贈・購入したことは、たいへん喜ばしいことであった。もちろん、小磯絵画の逸品は兵庫近美に集中しているとはいえ、記念美術館がとりわけ、新聞連載小説の挿絵画家としても著名な、小磯さんの挿絵原画の逸品を収集されたのは、お手柄というほかない。この美術館が所蔵する小磯さんの新聞小説挿絵原画が、他の美術館ではほとんど所蔵しない珍品ばかりであることは、意外と世に知られていない。

兵庫近美としては、生前の小磯さんの意向を尊重せざるを得なかったわけだが、小松さんたちが始められ後にご遺族の方が実現された「住吉アトリエ保存」は、結果として神戸市民に対しすてきな小磯記念美術館をプレゼントされたわけだから、その功績は大と言わなければなるまい。。