益喜を語る

伊藤誠 南風対談 わが青春の日々 森田修一
廣田生馬 和田青篁 父を想う

「植民地風西洋館のあり方」を知る

持ち主が、家のペンキぬり替えのときに、窓枠と外壁のツウトーンカラーをね、色々と変えるんだが、その色彩感覚がなんともベリグーなんだ。ボク、つい嬉しくなって、同じ家を何度も、色の変わったとこ描いとるですよ。

今頃あわてて「何やら景観条例」なんか作ってるが、昔はそんなもの無くても、隣近所同士の異人さんが話し合うて、庭木草花の配置やペンキの色などを工夫してた。美しい町並み保存を、町内会みずからやってたもんだよ。


神戸の異人館と、戦中戦後の数年間を除き、半世紀以上付き合ってこられた小松さんならではの「絵画語録」は、いつしか「神戸異人館解説」となり、「神戸西洋風都市景観物語」へと、展開していく。

異人館研究で知られる神戸大学島田勝次助教授(当時)の『小松益喜展』図録(昭和六十一年・朝日新聞社刊)「神戸・居留地・異人館」は、その最後をこう結んでおられる。

…神戸の街異人館を素材として小松先生の長年の偉大な画業を通して、古きよき時代を思い歴史の積み重ねを考え、西欧のロマンをイメージし、現在の雑然とした混乱を批判して、私共に鋭く都市環境を見つめ直す目を指摘されて来ていると、感ずるだけでもありがたいものである。