益喜を語る

伊藤誠 南風対談 わが青春の日々 森田修一
廣田生馬 和田青篁 父を想う

「強情っぱり」「名画は頑固の産物」

葬儀の直後、教会前で小松益喜さんと出会った。小松さんは私を見付けるなり抱き付かれ、人前もはばからずオイオイ大声上げて泣きだされた。あの戦時中最悪の困窮時代を、物心両面で支えてもらった「友達」小磯良平さんの死は、小松さんにとって実に大きな打撃だったのであろう。

「特高」に付け回されていた小松さんを、ご自分の画業そのものがおびやかされる状況下にあってなお、あたたかく遇されたというのも、小磯さんの頑固なまでのキリスト教的ヒューマニズムの発露というべきものかも知れない。